2011年01月26日

遺言の受取人が先に死亡したらどうなる?

 Aさんに二人の子,太郎と次郎がいたとしよう。
 Aさんは「太郎に全財産を相続させる」という遺言を残して死亡した。
 ところが,Aさんが亡くなる前に,太郎さんが亡くなっていた!

 そんなとき,誰が相続することになるであろうか?(遺留分は考えない)
 一つの考え方は,太郎さんがいない以上遺言は無効になるというものである。
 もう一つの考え方は,太郎さんの子など太郎さんの相続人がAさんの全財産を相続するというものである。

 どちらが正解であろうか?
 困ったことに答えはない。

 東京高裁の平成11年5月18日の判決では,Aさんの子が相続するということになった。 
 ところが,東京地裁の平成21年11月26日の判決では,遺言は無効であるということになってしまった。(厳密には事案が違うが,いずれにせよ裁判所の見解ははっきりしない)

 遺贈の場合「太郎に○○の土地を与える」という遺言の場合,先に太郎が死んだ場合には,遺言が無効になることは法律で決まっている(民法994条)。
 ところが,「○○に相続させる」という遺言の場合は,法律に決まりがないのである。

 「○○に相続させる」という遺言が一番,一般的な遺言である。
 この場合に,もらうべき人が先に死んだ場合どうなるかが決まっていないというのは非常に困ったものであり,早く決めてもらいたいところだ。

 いずれにせよ,遺言を作成する場合には,そのようなこともあり得ることを念頭に置いておくべきだろう。
 万が一のための遺言なのであるから。

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posted by 内田清隆 at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐遺言