2011年06月10日

信託による後継ぎ遺贈

 配偶者が亡くなった後には,その財産を自分の兄弟に相続させることができるだろうか?

 民法の規定では,子のいない夫婦の夫が死亡した場合,親が既に死亡していれば,全財産は,妻に相続される。
 そして,その後にその妻が死亡した後には,全財産は,その妻の兄弟に相続されることになる。

 では,自分が亡くなった後に,妻が死亡した場合には,妻の兄弟ではなく,自分の兄弟にその財産を相続させるようにできないだろうか?
 あるいは,自分が死亡し,財産を子に相続した後に,その子が死亡した場合には,子の配偶者ではなく,孫にその財産を相続させるようにできないだろうか?

 いわゆる後継ぎ遺贈の問題である。
 以前は,「妻が死亡した後には,その財産は,妻の兄弟ではなく自分の兄弟に相続させる」といった遺言に効力はなく,後継ぎ遺贈は無効であるという見解が有力であった。

 ところが,新信託法により,後継ぎ遺贈型の受益者連続信託が可能となった
 これは受益者が死亡した場合に,他の者が新たな受益権を取得する旨の定めのある信託である。
 具体的には,妻を第一受益者,自分の兄弟を第二受益者とすることで,事実上の後継ぎ遺贈が可能となるわけだ。

 特に事業経営において活用の余地は大きいだろう。
 自分の亡くなったあとは,会社はどうなっても構わないと思う経営者はいまい。
 自分が亡くなり,その相続人が亡くなった後のことまで考える,それは重要なことだし,受益者連続信託により,それが可能となったというわけだ。

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posted by 内田清隆 at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐相続