2012年05月28日

葬儀費用は遺産に入る?誰が負担するの?2

以前の記事で,葬儀費用は遺産に入るのか,親の葬儀の費用を兄弟の一人が出した場合にもう一人の兄弟に半分を出してもらうことはできるのかといった問題について書いたことがある。結論はよく分からないというものであった。
 
 この点について,名古屋高等裁判所は平成24年3月29日に判決を出した。同判決は,「葬儀費用は・・・同儀式を主宰した者,すなわち,自己の責任と計算において,同儀式を準備し,手配等して挙行した者が負担・・・するのが相当である。」と判示して,喪主=葬儀の主催者が負担すべきであるとした。

 その理由は,「追悼儀式を行うか否か,同儀式を行うにしても,同儀式の規模をどの程度にし,どれだけの費用をかけるかについては,もっぱら同儀式の主宰者がその責任において決定し,実施するものであるから,同儀式を主宰する者が同費用を負担するのが相当」であるからだとする。

 同裁判例に対するコメントの多くは当然だろうというものであり,この考え方が多数説ではあるようだ。

 しかし,冷たい考え方であると思う。例えば,実の親の葬儀を金持ちの兄弟が海外在住のため,やむを得ず自分ひとりで挙げた場合においても,その費用の半額すら兄弟に請求できないというのは,理不尽に思える。
 法律的には,そのような場合でも,兄弟に連絡を取り,葬儀代の半額を負担することを了承する念書を取らないといけないということになるのであろうか。

 もちろん,多額の費用をかけて,豪勢な葬儀が勝手に行われたという場合であれば,例外とする余地はあろう。しかし,社会常識的な最低限の葬儀費用であれば,相続人らで仲良く負担することが公平に思える。

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posted by 内田清隆 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐相続