2014年08月04日

遺留分を奪う方法4 生前贈与2

 以前に,遺留分を奪う方法として生前贈与を紹介したことがある。
http://uchidasouzoku.sblo.jp/article/39364625

 そこでは,生前贈与では,本来遺留分を奪うことはできないと書いた。
 例えば,相続人として子AとBの2人がいた場合,
@Aに全財産1億円を相続させるという遺言を書いてBの遺留分を奪っても
AAに1億円を生前贈与しBの遺留分を奪っても,
不当に遺留分を侵害したとして,BはAに2500万円分の遺留分減殺請求ができることに変わりはないためだ。

 しかし,相続人が複数いる場合は,事情は複雑だ。
 相続財産が1億円あり,相続人として子A・B・C・Dがいたとしよう。
 死亡の10日前にAに5000万円,Bに2500万円を生前贈与し,Cに2500万円を遺言で贈与したとしよう。
 Dは1億円÷4×1/2=1250万円の遺留分を有する。

 遺贈と贈与が混在する場合,遺留分権利者は,まず遺贈を減殺した後でなければ,贈与を減殺することができない(民法1033条)。
 そのため,遺留分減殺請求されるのはCだけであり,AとBは,遺留分減殺請求されることなく,それぞれ5000万円,2500万円を丸々もらえることになる。
 わずか10日の差で、劇的な違いだ。

 遺留分を奪う効果はないにしても,A・Bに多くの財産を残したい場合には非常に有力な方法である。
 特に複数の資産がある場合に,現金を生前贈与し,換価困難な財産を遺贈することにすれば,実質遺留分を奪ったような効果が生じる。

 さらに,民法1037条の「減殺を受けるべき受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する」という規定を用いれば,さらに不公平な事態も生じ得る。

 人間の自然な感覚に基づいた法律でないため,しかたがないのではあるが,実に不公平だと思わされることも少なくない。

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posted by 内田清隆 at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐相続
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