2010年09月30日

遺産分割で賃料はどう扱えばいいの? その1

 太郎と次郎の遺産分割で問題となったのはテナントビルであった。 
 長男の太郎が実質的にテナントビルを管理しており,太郎の通帳にテナントからの賃料は振り込まれていた。
 被相続人である父が亡くなってから,遺産分割でもめて,テナントビルは太郎が相続することで話がついたのは,父の死亡後1年が経過していた。

 では,相続開始後,話がつくまでの1年間分の賃料が誰のものになるかは,どのように決められるのであろうか?

 ここに「葬儀費用が遺産に含まれるかという問題」と同じ問題がある。
 「遺産」とは被相続人が有していた財産と考えると,,被相続人死亡後に入ってくる賃料は遺産ではなくなる。
 そうするとそのお金は遺産分割の審判の対象ではなくなってしまうのである。

 最高裁は,平成17年9月8日の判決で,被相続人死亡後に発生した賃料については,遺産には含まれず,遺産分割の対象にはならないことを明らかにした。

 被相続人が死亡する直前の賃料は遺産であり,死亡後は同じ通帳に入っているお金でも突然遺産ではなくなる。
 そして,そのお金が誰のものであるかは家庭裁判所で行われる遺産分割の審判ではなく,地方裁判所で行われる民事訴訟で決められることになる。

 なんとも不合理な話である。
 もっとも,これは争いがある場合である。私が経験した例でもあったが,太郎と次郎がお互いが被相続人死亡後の賃料も「遺産」として,扱われることに合意すれば話は違う。
 その場合には,家庭裁判所の遺産分割の審判手続の中で被相続人死亡後の賃料が誰のものになるかも決められることになる。

 だったら,最初から,被相続人死亡後の賃料も遺産であるとしてしまえば話は単純なのだが法律がそうなっていないのだから仕方がないということだ。
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posted by 内田清隆 at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐相続
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