2011年09月07日

1000万円の赤い羽根共同募金

 どうも最初からおかしかった。

 相続人は,父と子。判断能力を失った父の後見人として,遺産分割の調停に関わった件である。

 話合いをしようとしても,「親戚の法事」「入院することになった」「どうしても抜けられない仕事」などと言われ会うことができず,1年も話合いが進まない。
 そんなに突然,会えくなる事情が頻発するとはいかにも,おかしい。
 そう考え,やむなく,裁判所の調停で,話を進めることになった。

 裁判所の調停では,その子は,仕事がなく,生活が非常に苦しいと事情を説明し,大目に相続したいと主張していた。

 そのような中,衝撃的な事実が判明した。
 父の方は,3年ほど前から,痴呆症となり施設に入り,子が父の通帳の管理をしてきた。
 ところが,その3年の間に,父の通帳から何と2000万円もの預貯金がなくなっているのである。

 一度に1000万円ものお金が下されている日もあった。
 施設代や生活費は,障害年金で賄われる。
 まさに,使途不明金である。
 当然,何に使ったのかを問い詰められた。そして,その回答は
「赤い羽根募金に寄付をした」
というものであった。
 仕事がなく,生活費が苦しい人間が,1000万円を寄付!? 
 そんな良い人間がいるのであろうか? 

 真実は,藪の中に包まれながら,1200万円を5万円ずつ返済するということで調停は終了した。
 200回払いの40年分割。払い終わるときは,父は,100歳を超える…。

【事例は,個人特定防止のためデフォルメされています】

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posted by 内田清隆 at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 取扱事例から
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