2011年10月25日

生前贈与と遺留分1−生前贈与をやめさせられるか?

親が財産を別の兄弟に贈与するのをやめさせることはできないか。
そんな相談を受けることが多い。

 例えば,親が長男に丸めこまれて全財産1億円を長男に生前贈与してしまった。
 そこで,次男が,長男に対して,「自分だけずるい!」と言って,一定額の支払を要求できないかといった相談である。

 次男は,そのような要求をすることは可能であろうか?

 基本的には無理である。
 親が認知症で判断能力がないなどといった特別の事情がない限り,親が自分の財産をどのように処分するのかは,親の自由である。
 したがって,長男に全額を生前贈与したとしても,次男が文句を言う権利はない。

 ところが,親が死亡すると状況は変わってくる。
 遺産が1億円あったとすれば,次男は,遺留分として,1憶円×4分の1=2500万円だけは最低相続する権利がある。そして,親も,この遺留分については自由にできない。
 にもかかわらず,生前に贈与してしまえば,親が,次男の遺留分を自由にできることになってしまってはおかしい。

 そのため法律は,他の相続人に生前贈与した分についても,遺留分の計算においては,遺産とみなすことにしているのである。
 
 よって,上記の事例において,次男は,親の生前は,何の文句も言うことはできない。
 しかし,全額を長男に生前贈与した後にすぐに親が死亡すれば,次男は,長男に対して,2500万円を遺留分として支払うよう請求できるようになるのである。
 続 く

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posted by 内田清隆 at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐相続
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