2013年01月10日

自筆証書遺言の形式違背の訂正の効力

 自筆証書遺言の訂正については
民法968条2項  遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
と規定されており,そのやり方は厳格に決められている。

 ところが,この厳格なやり方を無視し,単に二重線を引いただけで訂正していたり,修正液で訂正してしまったりされている場合も少なくない。

 そのような場合,その遺言の効力がどうなるのか問題になるケースは少なくない。

 法律には書いていないのであるが,裁判例によれば,まとめていえば,重大な訂正では遺言自体が無効になるが,そうでなければ,訂正がなかったものとして有効となる。

 例えば,最高裁昭和56年12月18日判決は,訂正部分が、明らかな誤記の訂正の場合は遺言は有効であると判示しているし,大阪高裁昭和44年11月17日判決は 「加除変更部分が遺言中の僅少部分にとどまり付随的補足的地位を占めるに過ぎず、その部分を除外しても遺言の主要な趣旨が表現されているばかりでなく、加除変更が印権者の意思に従ってなされている」ので訂正がないものとして有効であるとしている。

 一方で,仙台地裁・昭和50年2月27日判決では,訂正された日付けが判読できなくなった場合は、日付が欠けるものとして無効としており,重要箇所の訂正については,厳格なやり方を守っていないと,遺言自体が無効になってしまう。

 遺言を訂正する際には,くれぐれも注意が必要である。

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posted by 内田清隆 at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | よくあるご質問‐遺言
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